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総合計画
2011/7/12 更新
6月議会での総合計画の反対討論 
日本共産党奈良市議団  井上昌弘

2011年6月定例会  議案第61号 奈良市基本構想について、議案第62号 奈良市基本計画、及び修正案についての反対討論案

私は、日本共産党奈良市会議員団を代表して、議案第61号 奈良市基本構想について、議案第62号 奈良市基本計画、及び修正案についての反対討論を行います。

日本共産党奈良市会議員団は、1月臨時議会での基本構想・基本計画の採決に当たり、7点にわたって問題点を指摘し、反対しました。

第1は、第3次総合計画の総括が不充分であり、計画に最も重要な前期計画の科学的な検証と教訓の引き出しがされておらず、検証なき総合計画となっていること。
第2は、市民の暮らしの現状認識が不充分で、必要な対策が導き出されていない。市民の暮らしが大変な今、暮らし・福祉の充実を最重要課題とする必要があること。
第3は、地域コミュニティの問題では、「コミュニティの活性化」をかかげながら、現実には自治会や万年青年クラブへの補助金削減、連絡所廃止の提案など、掲げている理念に逆行していること。
第4は、地域経済の活性化を観光に特化し、農林業、中小商工業、地場産業等の支援策が不充分なこと。
第5は、まちづくりでは環境が重点と言いながら、京奈和道路やリニア中央新幹線の誘致などを掲げ、世界遺産や古都奈良の景観を守る姿勢が弱いこと。
第6は、教育で、「特色のある教育の推進、幼児教育の充実」といいながら、子どもたちを競争と選別にさらし、学校間格差を拡大しようとしていること。 
第7は、行財政改革の推進が、市民の立場に立っていないこと。
などです。

ところが、今回再提出された計画を見ても、我が党議員団が指摘したこうした点での修正はなく、基本的には前回の計画を踏まえたものとなっており、これでは賛成することができません。

また、今回の議論では、改めて人口予測や財源問題などの議論がありました。ある学者は「総合計画は、正確な現状認識に立って、バラ色の夢を描くのではなく、最悪の事態を考えて地獄絵を描くことが大事」だと指摘しています。人口推計は総合計画のすべての施策にかかわる極めて重要な数値です。奈良市は過去3回にわたる総合計画すべてで過大な人口推計を立て、これが過大な事業を誘導し、財政難の一因となっている苦い教訓を踏まえる必要があります。その意味では今回の人口推計は、合理的な目標だと考えます。財政問題については、我が党議員団が過去一貫して指摘してきたように、国主導で公共事業優先の政治をすすめ、同時に地方自治体にも、借金をして公共事業を優先させる政治を誘導してきました。その上、奈良市は、これに輪をかけてJR奈良駅前の再開発など、大型公共事業を推進し、借金を増やしてきました。それに小泉内閣当時の三位一体改革等もあって、今日の厳しい財政状況を作り出してきました。国にも大きな責任があります。市長の答弁にもあったように、国にももっと財政負担を求めていくことが必要です。


また、我が党議員団はこうした市政に反対する一方、入札制度の改善にも力を入れてきました。我が党がこの問題を取り上げた当時の平均落札率は99.5パーセント、昨年の平均落札率は70%であり、総額で105億円の発注額からみて約30億円の節減になっており、改善の成果は明らかです。そうした上に立って今日、ごみ焼却炉入札のあり方等も問題にしているところです。

今回の総合計画は、先に我が党議員団が指摘した7点の内容や、東日本大震災の経験を踏まえ、何よりも市民の福祉・暮らしを優先し、地域経済を活性化させること、原発だのみのエネルギー政策から自然エネルギーへの転換に自治体としても総力を挙げること、そして、高速道路やリニア新幹線の建設ではなく、遅れている橋梁や下水道、上水道の維持管理、建物の耐震化などに、国の補助を増やして力を入れる、地域の建設産業を興していくことなど、地域の経済を活性化させ、将来的に財政の健全化を図っていく方向をめざすことが必要です。

最後に修正案についてですが、私たちは、連絡所を存続させる点には賛成しますが、修正案は先に指摘した原案についての7つの問題点をも修正するものではないことから反対とするものです。

以上で反対討論を終わります。

総合計画過去の記事index
2011年3月1日 第4次奈良市総合計画基本構想・基本計画 反対討論
 
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