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トップページ - 制策・提案 - 4月21日、新型コロナウイルス感染拡大の対策に関する緊急申し入れ
政策と提案
2020/7/21 更新
新型コロナウイルス感染拡大の対策に関する緊急申し入れ(第4次)

「新型コロナウイルス感染拡大の対策に関する申し入れ」(第4次)分を行い、奈良市と懇談をおこないました。



2020年7月20日
 
日本共産党奈良市会議員団


新型コロナウイルス感染拡大の対策に関する緊急申し入れ(第4次)

 

新型コロナウイルス感染者の増加が東京や首都圏にとどまらず、大阪などの都市部や全国的に再拡大の様相を強めています。東京では1日当たりの感染者数は過去最多を更新、大阪でも緊急事態宣言解除後最多を更新しており、奈良県下や本市でも連日新規感染者が発表され、全体として「感染経路不明」も増えています。
 業種と地域を限定し、徹底した補償とセットの自粛要請、PCR検査や医療体制の緊急拡充などの感染拡大防止策が急務となっています。
 新型コロナ対策の国の第2次補正予算で積み増しされた「地方創生臨時交付金」が、本市には新たに約25億円配分されることが明らかになっています。国は自治体が判断した対策であれば「原則として使途に制限はない」としており、実効性ある対策を組み、一刻も早く市民の手に届けられねばなりません。国の交付金の枠組みから外れるが、市民の命と暮らしを守るために必要な対策は、市独自の取り組みとして思い切った施策に踏み出すことが求められます。
 市長は、議会でのわが党の質疑に対し、感染症対策の財源として当初予算の「減額補正」も考えると答弁しています。財政調整基金の活用も含め、積極的な対応を改めて要望します。
感染者の新たな拡がりがみられるなか、第2波の本格的な襲来に備えるため、日本共産党奈良市会議員団として新型コロナウイルス対策に関し、以下の申し入れを行うものです。

<国・県への要請事項>
  • 教員の抜本的増員を求めること
    再開する学校への支援として、国の第2次補正予算に盛り込まれた教員加配は全国でわずかに3,100人。小中学校(全国で約3万校)の10校中9校は「加配なし」です。新型コロナに伴う休校で3カ月も空白期間があり感染対策も求められるなか、子どもたちの学びの権利を保障し、心身のケアを手厚く行うため、教員の抜本的増員を国に求めること。 (全国知事会、全国市長会、全国町村会も7月3日、文科省に「少人数学級の実施」を要請。与党からも要請があったと報じられている)
  • 消費税5%への減税に踏み切るよう国に求めること。
  • 新たな感染拡大が生じているもと、「GO TOトラベル」事業の開始見送りを決断するよう国に強く働きかけること。

<奈良市のとりくみに関して>
  • 新型コロナへの追加補正の感染症対策の財源として、当初予算の「減額補正」を行い、市として積極的な取り組みに踏み出すこと。
  • これまでに実施した県・市の「感染拡大防止協力金」の対象外業種への給付を手厚く行うこと。
  • とりわけ中小・零細事業者が事業をもちこたえることができるよう、奈良市独自にも実効性ある対策を打ち出すこと。
  • フリーランスや非正規労働者に対して、市独自にあらゆる手立てをつくし支援すること。
  • 新型コロナによる休業などで、事業主から内定取り消しや雇い止めされた市民の雇用確保をいっそうすすめること。(奈良市や外郭団体での一時的な雇用も含めて)
  • 生活福祉資金の特例貸付(緊急小口資金、総合支援資金)の窓口となる社会福祉協議会の業務が過重負担になっていることから、補助金を増額すること。
  • 国の家賃支援補助金に市独自に上乗せ給付すること。
  • コロナ禍におけるテイクアウト弁当等への容器補助を行うこと。
  • 市内医療機関、福祉関連施設(高齢者、障害者、児童関係ほか)、介護関連施設の従事者・職員への慰労金(支援金)を給付すること。(国の交付金事業に例示されていない対象は市独自に給付すること)
  • 中小業者らの地代・家賃を国が支援する「家賃支援給付金」(対象は資本金10億円未満の企業やフリーランスを含む個人事業者。条件は ①5月以降で、1か月の売り上げが前年同月比50%以上減少、または、②5月以降の連続する3か月の売り上げ合計が前年同期比30%以上減少)に関して、5月以降の減収しか対象にしていない、②の場合申請できるのは8月になる、申請はオンラインのみ、など問題が明らかになっており、国に改善を働きかけること。
  • 休業手当を支払う事業主に払われる雇用調整助成金について、コロナ特例で雇用保険未加入の学生も対象となったことを周知し、学生に休業手当がしっかり払われるようにすること。また、大学等修学支援制度を「減収前後それぞれ1か月分の給与証明などで家計急変を証明すれば受けることができるようになった」ことも広く周知すること。
  • 大学等の授業料について、一律半額免除されるよう国に制度化を働きかけること。
「特別定額給付金」(1人10万円給付)について
◎生活保護利用者には収入認定しないこととなった一方で、新たに保護申請しようとする人が特別定額給付金を受け取った場合、これを資産認定して要否判定に使うことになっています。同給付金の趣旨にかんがみ、資産認定しないこと。

◎「世帯単位」でなく「個人単位」の支給にするよう国に働きかけること。

  • 「基準日(4月27日)」以降に、同給付金の申請を行わず世帯主が死亡した場合、複数世帯員の場合には新たな世帯主が申請し受け取れますが、単身者の場合は世帯が消滅したとして申請すらできません。人の命を世帯人員数の違いによって差別することになります。相続人等による代理申請を認めるなど救済策の検討を国に働きかけること。また、「個人単位」の支給に切り替えるよう国に働きかけること。
  • 同給付金の申請手続きに必要な添付資料について、希望があれば市の施設に設置されているコピー機の使用を認め、援助も行うこと。
◎基準日以降の新生児も特別定額給付金の対象とすること。(大和高田市は基準日から2020年12月末までの新生児にも支給)

■国民健康保険証について

  • 奈良市は従来、国保料滞納者に対して納付相談の機会を確保するとして、3か月短期証を発行していたが、コロナ禍の対策として来庁機会を減らすため、今年は6カ月短期証に改善するとしている(8月〜)。国民健康保険証の短期証や資格証を今後廃止すること。短期証を継続する場合でも、保険資格のある市民には年間を通じて途切れることなく有効な保険証を発行すること。
■新型コロナの「第2波」に備える検査・医療体制の抜本的強化を行うこと
◎「第2波」を早くつかむためにも、検査体制のさらなる拡充を行うこと。

PCR検査数を抜本的に引き上げるとともに、抗体検査・抗原検査にも踏み出すこと。

◎市民がいつでもかかれるよう発熱外来の市内各所への設置、PCR検査のできる場所を増やすこと。
◎市内医療機関、福祉関連施設(高齢者、障害者、児童関係ほか)、介護関連施設の従事者・職員、市内幼保施設やバンビ―ホームの保育教育士や指導員、市内学校施設の教職員において、希望者全員のPCR検査費を補助し大規模な検査をすすめること。

◎感染症対策の最前線にたつ保健所をはじめ、職員の体制を抜本的に強化すること。

  • 保健所は平時の業務に加え、新型コロナ対応として、電話等激増する問合せへの対応、帰国者接触者外来への受診調整、地方衛生研究所への検体搬送、PCR検査の受け付け、県との情報共有や広報、陽性者への聞き取り、医療機関との連絡調整、入院患者の病状把握など法に基づく感染症対策業務に忙殺されています。今後の感染症対応を見据え、保健所人員の抜本的拡充を行うこと。
  • 「定員適正化計画」では、2021年4月1日には2,500人にするとしています。「民間委託」と「非正規化」によって10年前の2011年(平成22年)には3,066人だった職員を500人以上減らす計画です。しかし、新型コロナの収束には長期化が見込まれること、新たな感染症の発生間隔が短期化しつつあることなどから、公共・公務部門の感染症への日常の備えがますます重要になっています。職員削減計画を見直し、必要な人員を確保すること。
◎医療崩壊を防ぐため実効性ある措置を講じること。
  • 不足している医療用マスク、ゴーグルやフェイスシールド、防護板、防護服、消毒液、人工呼吸器、体外式膜型人工肺などの確保と提供を市としてもさらに積極的に行うこと。
  • 「第2波」を想定し、感染者病床の拡充や療養施設(ホテル含め)等の確保のための必要な財政支援を行うこと。/li>
  • 新型コロナの直接・間接の影響で減収となっている病院・診療所および介護福祉施設への財政支援に国・県と連携して踏み出すこと。
■避難所におけるコロナ対策(感染防止対策)を具体化し、市民に早急に示すこと
  • 不足している医療用マスク、ゴーグルやフェイスシールド、防護板、防護服、消毒液、人工呼吸器、体外式膜型人工肺などの確保と提供を市としてもさらに積極的に行うこと。
  • 感染症と自然災害との複合災害のリスクが高まっています。市内の指定避難所には、マスクや消毒液が常備されておらず、現在配布しているのは、1避難所あたりマスク100枚、消毒液500ml×2本にとどまっているとのことだが、早急に各避難所の収容人数に見合った数量を備蓄すること。
  • 体育館等に設置できる間仕切り(パーテーション等)は、平時の備蓄はな
  • く、災害時に供給されるよう業者と協定を結んでいるとのことだが、一定の数量は市として備蓄し避難所開設直後から設置できるようにしておくこと。
  • またそれ以外にも、室内テント、消毒液、マスク、ハンドソープ、体温計(検温計)を備蓄し避難者の感染を防ぐために万全を期すこと。
  • 多様な避難所を必要数確保するなど、新たな避難所の対策を市民に早急に周知すること。
■学校再開に伴う対応などに関して
  • 子どもや保護者、教職員の心のケアに万全をつくすこと。
  • 学校でのマスクや消毒液等の備品の確保、校内で症状がでた場合の隔離の設備など万全の対策を講じること。
  • 新型コロナ、例年のインフルエンザなど感染症対策として手洗いの励行はもっとも重要な生活習慣となっています。西和7町では学校のトイレや手洗い場など水回りに抗菌コートをしています。有効性を調査して奈良市でも取り組みを検討すること。
  • 学校施設の消毒作業などにあたる人員をさらに拡充するとともに、検温や消毒作業など負担が増えている保育園・幼稚園・認定こども園についても、保育教育士の増員、事務職員を配置すること。
  • 学童保育指導員の負担も増大しており人員の増員、不足しているマスクや消毒液などの確保に市がいっそう責任をもつこと。
  • 40人学級では「物理的距離」確保が困難であり、市独自の少人数学級を復活拡充すること。そのための教職員を増員すること。
  • 常駐の心理判定員・臨床心理士・スクールソーシャルワーカー・スクールカウンセラーの配置増員、特別支援教育支援も増員すること。
  • 登下校時も含めた熱中症対策に万全を期すこと。(過剰なマスク着用は心身の健康にかえってマイナスとなり配慮が必要。どんな時にマスクが必要なのかなどの知見を共有し、子どもが主体的、科学的に感染症に向き合えるようにすること)
  • 「第2波」「第3波」の感染拡大などによって再び休校となることも十分予想される。子どもの栄養状態や健康の悪化が懸念されるもと、学校給食施設・設備、学校給食用食材、給食調理員の力をかりて、就学援助制度の給食費の費目も活用し、安心・安全・おいしい食事を子どもたちに提供する仕組みを構築すること。地域の飲食店と提携し、子どものお弁当代の補助など検討すること。フードドライブの取り組みを支援すること。
  • 学校給食の食材納入業者に対し、休校によるキャンセルとなった食材費を補助すること。
  • 就学援助制度を利用する要保護・準要保護世帯に対して、給食が実施されなかった間の給食費相当額は恒常的に給付すること。
  • 学校園の給食費を完全無償化すること。
  • 学校統廃合の計画(学校規模適正化計画)は凍結し再検討すること。
  • DVや児童虐待に関する対策をいっそう強化すること。
  • 公民館等の使用が再開されていますが、利用者の「3密」を避けるため、人の間隔を空けることや会場定員の半数以下での利用が要請されている。この要請に沿う使用を行おうとすれば、利用者が通常の使用に比べ大部屋を借りる必要が生じ、使用料の負担増となる。利用者の負担軽減の観点から使用料補助を行うこと。
■コロナ問題にとりくむ基本姿勢、「ポストコロナ」の市政の切り替えについて
  • 新型コロナへの対応として「新たな生活様式」を国・自治体が市民に求める以上、その生活様式を不安なく選択できるよう「補償策」を一体に打ち出すこと。継続的な財政支援を国・県に求めるとともに市独自に行うこと。
  • コロナに関する正確な情報や相談窓口の案内、各種の救済制度について、ネット配信だけでなく紙媒体での案内・啓発をいっそうきめ細かに行うこと。
  • コロナ対策に関する市としての公式発表や連絡は、所定のルートを通じて一元化して行うよう再度徹底すること。
  • 感染拡大に伴って、感染とそれ以外の風評などで個人の尊厳や人権が損なわれることがないよう情報発信に留意すること。
  • 高齢者をターゲットにした給付金詐欺などにも注意喚起をいっそう行うこと。また、コロナ禍に乗じた特殊詐欺対策として、通話録音装置購入費用の助成制度を設けること。(平群町は65歳以上の世帯対象に上限1万円補助)
◎公共施設の休館等による損害に対する補償を行うこと。
  • 市施設の突然の休館によって、市民団体主催の写真展等について、案内チラシを廃棄せざるを得なくされたにもかかわらず「市からは施設使用料の返還以外、何の補償もない」と苦情が寄せられています。市の要請に協力して生じた損害であり、少なくともイベントの準備やチラシ等に要した費用は市の責任で補償すること。
  • 市施設の休館、市主催イベントの中止、学校鑑賞教室中止等によって減収を余儀なくされた個人・事業者への休業補償、賃金補償を市の責任で行うこと。
◎「ポストコロナ」の市政切り替えについて。
 今回のコロナ危機(パンデミック)は、これまでの社会や行政のあり方を根本から問い直すものになっています。
 これまでの医療費削減政策で急性期のベッドを減らしていく、公立・公的病院や保健所の統廃合などのやり方によって、日常的に医療のひっ迫状況をつくり、コロナ危機に対しても脆弱な状態をつくりだしました。労働法制の規制緩和によって不安定雇用をひろげ、コロナ危機のもとで派遣やパートで働く人の雇い止めという形で噴き出そうとしています。  経済のあり方も、これまでのもっぱら外需依存の経済のあり方、医療・介護のケアに必要な物資、食料、エネルギーも海外に頼ってきたあり方を見直し、内需・家計を経済政策の軸に据えること、人間の命に必要なものは自分の国でつくる経済への転換が求められます。
 また、パンデミックのもと、ジェンダー差別が深刻となる事態も起こっており、コロナ対策でもジェンダーの視点をつらぬくこと、ジェンダー平等の社会をつくっていくことも切実な課題になっています。  奈良市政においても、「職員適正化計画」(職員削減計画)、非正規化や民営化の拡大、学校園など公的施設の統廃合計画など公的責務を後退させる施策を転換し、内需中心の地域内経済循環づくり、感染症や災害への最大限の備えをすすめ、日常から余裕をもった体制整備などこれまでの市政の抜本的切り替えを求めるものです。

以上