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政策と提案
2016/6/11 更新
奈良市教育委員会に「中学校用教科書採択について」の申し入れと懇談を行いました


奈良市会議員団は6月11日、奈教育委員会に「中学校用教科書採択について」の申し入れと懇談を行いました。

2015年6月11日

奈良市教育委員会
 教育委員長 杉江 雅彦 様
 教育長   中室 雄俊 様

日本共産党奈良市会議員団


中学校用教科書採択についての申し入れ

奈良市の教育について、日ごろのご尽力に敬意を表します。
 今年は来年度から使用する中学校教科書を採択する年です。
 今回の文科省の教科書検定は、政府の意向に沿った記述を求めるなど、検定基準が変更されたもとで初めて行われました。そのなかで、日本軍「慰安婦」を記述しようとした教科書の記述を大幅に削除させて政府見解を書き込ませるなど見過ごせない事態が起きています。
 検定合格した歴史や公民の教科書のなかに、歴史の事実をゆがめ、日本国憲法を敵視しているものがあり重大です。たとえば育鵬社・自由社版の歴史教科書は、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」と記載し「アジアを解放する戦争だった」「正しい戦争だった」と書いています。
 「公民」の学習で大切なのは、日本国憲法の理念と「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」など基本原則を学ぶことですが、育鵬社版では「国民主権と天皇」とタイトルがつけられたページの、国民主権の説明は短く、ほとんどが象徴としての天皇の話です。「平和主義」のページもほとんどが自衛隊の説明で、しかも集団的自衛権の行使が必要で、今の憲法上でも行使が可能だと書いています。現在の国会論議は度外視したうえ、戦争する国づくりをめざす安倍政権の政策そのものの記述です。また領土問題について特集を新設し、そこには日本政府の見解だけが詳細に記述されており、相手国の主張や、なぜこのような問題が生じるのか、その背景として平和的な解決のあり方を考えさせようとはしていません。これでは、相手国に対する憎しみの感情だけを育てることになってしまい、近隣諸国の人々と対話したり、国際人として生きる力を育てることができません。
 教科書は、そのときどきの政府の見解を教えるために編集されるものではなく、人類が到達した普遍的な知見や価値を、子どもの発達段階に応じて教えるために編集されるべきです。

 以上のことをふまえ、つぎのことを申し入れます。

1. 侵略戦争を美化・正当化したり、日本国憲法を敵視し、憲法改悪へと誘導するような教科書を採択せず、子どもたちが学びやすく、先生方が教えやすい教科書を採択してください

2. 子どもたちと日々深く関わり、地域や子どもの状況をよく把握しているのは先生方です。そのような先生方の意見を尊重して、子どもたちにふさわしい教科書が選ばれることは当然であり、国際的な常識でもあります。教科書の採択にあたっては、現場の先生方の意見を尊重してください。

3. 教科書の採択にあたっては、学校の先生方が十分な時間的保障のもとに、教科書の調査研究ができるようにしてください。

4. 民主的な方法で集約された保護者・市民の意見を尊重してください。教科書展示会会場にアンケート用紙を置くなど、市民の意見を集約し尊重する体制を整えてください。

5. 教科書展示会の案内で、はぐくみセンターの日程が市民だよりに掲載されていなかったのは何故か。奈良市のホームページへのアップをわかりやすく改善してください。全ての展示会の案内を工夫して広く行なってください。

6. 教科書展示会会場について、時間をかけてじっくり比較検討できるよう、机・いすなどの設備を充実してください。

7. 教科書採択の過程について、すべて情報公開してください。また、採択のための教育委員会会議を市民だよりなど広くお知らせするとともに、すべて公開でおこなってください。教育委員会会議の傍聴は、傍聴希望者全員が傍聴できるようにしてください。

8. 「学び舎」版の見本本も教員、市民が閲覧・研究できるように配慮してください。


以上