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市議会報告
2013/12/21 更新
2012年12月議会報告
奈良市議会12月定例議会は、12月3日より18日までの16日間行われました。仲川市長からは、一般会計補正予算、下水道事業の公営企業法適用と水道局との統合に関する関連議案、ふれあい会館の有料化導入、55歳以上の職員の定昇カットなどが提案され、審議されました。日本共産党奈良市会議員団から代表質問、北村拓哉議員、一般質問、白川ケンタロウー議員、松岡克彦議員、山口裕司議員、山本直子議員が質問しました。
 また議案は各常任委員会や予算決算委員会分科会に付託、審議されそれぞれ質問しました。特に下水道事業の公営企業化と上水道との組織統合の案件については予算決算委員会集中審議も行われ井上昌弘議員が質問しました。

日本共産党奈良市会議員団は12議案に反対し残余の議案には賛成。北村議員の反対討論参照(2013年12月18日)


12月定例会 反対討論(2013年12月18日)
北村
私は、日本共産党奈良市会議員団を代表して、議案第129号 平成25年度奈良市一般会計補正予算(第4号)、議案第130号 平成25年度奈良市下水道事業費特別会計補正予算(第1号)、議案第135号 平成25年度奈良市水道事業会計補正予算(第2号)、議案第141号 奈良市一般職の職員の給与に関する条例の一部改正について、議案第144号 奈良市地域ふれあい会館条例の一部改正について、議案第147号 奈良市下水道事業の地方公営企業化に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について、議案第148号 奈良市都市下水路条例の制定について、議案第188号 奈良市行政財産使用料条例の一部改正について、議案第189号 奈良市下水道条例の一部改正について、議案第190号 奈良市農業集落排水処理施設条例の一部改正について、議案第191号 奈良市水道事業給水条例の一部改正について、および、議案第192号 奈良市病院事業の設置等に関する条例の一部改正について、の12議案に反対します。また議案第138号 奈良市行政組織条例の一部改正については、意見を付して賛成し、残余の議案には賛成します。以下、その理由を述べます。

 まず、議案第129号についてです。
本議案の補正予算には、児童手当業務委託が含まれています。これは、事務処理が膨大で、窓口業務にも支障が出ていることから業務委託するとされていますが、児童手当申請者の所得や職場、家族構成等の情報を外部者に委託すれば、情報漏えいが起こる可能性は否定できません。重要な情報の処理であり、市の職員を増やすことで対応すべきです。  また、補正予算には、子ども・子育て支援新制度システム改修経費も計上され、債務負担行為も設定されています。政府は2015年度4月からの新制度の本格施行にむけ、制度システム改修に必要な政省令等を制定する、その前提となる制度の骨格・概要をまとめる作業をすすめています。  「子ども・子育て支援新制度」には、たび重なる修正があり「いまだにわからない。今後どのようになるのか」といった不安の声が、現場や関係者からあがっています。  わが党は、機会あるごとに、新制度の問題点を指摘してきました。例えば、市町村の保育実施義務にもとづく認可保育所と直接契約施設が併存され、待機児童の本来の解消が困難になること、地域型保育の制度化により、保育内容や水準に格差が生じるおそれがあること、保育認定制度の導入で細切れ保育となり、集団保育が困難になること、保育料の大幅な引き上げが懸念されることなど、問題点が噴出しています。こうしたことから、わが党は「子ども・子育て支援新制度」にかかわる法整備にも反対しました。
 予算計上されている、システム改修関連経費は、「子ども・子育て支援新制度」施行にむけた具体化となり、根本的に問題があることを指摘しておきます。
 さらに補正予算には、(仮称)帯解こども園の仮園舎建設事業について、関連予算も計上されています。帯解こども園は「子ども・子育て支援新制度」にもとづく、奈良市で初めての幼保連携型認定こども園で、0歳から5歳をあずかる幼保一体施設になるとされています。在園時間の異なる園児が一つの建物で過ごす本格的な施設になると考えられますが、奈良市では国の動きを先取りする形で、幼保施設が多岐・多様に広がっています。未検証のまま、拙速にすすめられることで、保育の質の低下や施設の基準の引き下げ、職員の身分・待遇、労働環境の悪化などが懸念されます。
 待機児童の解消は、認可保育所の増設で対応すべきであること、奈良市の幼保再編計画は、市立の幼稚園と保育園を統廃合して、全廃し、幼保連携型認定こども園に再編する計画ですが、関係者の合意ぬきにすすめてはならないこともあわせて指摘しておきます。

 つぎに、議案第130号、第135号、第147号および第148号についてです。
これらはいずれも下水道事業の法適用、水道事業との組織統合にかかわる条例制定及びシステム改修に関する補正予算の議案です。予算決算委員会の集中審査で指摘したように、料金について一般会計からの繰り入れ削減を理由とした今回の値上げに続き、法適用後に赤字解消を理由とした再値上げの可能性もあること、民間委託の一層の拡大の可能性もあると考えます。また法適用と統合の財源効果についても過大な計上であること、収支見通しはあるが損益見通しがなく、赤字がいつまでどれぐらい続くかが明確でないこと、職員組合とも正式な協議をしていないこと、なによりも市民への丁寧な説明さえされていないことなど、多くの問題点が、本会議や委員会審議を通じて明らかとなりました。よって、拙速にすすめることには反対です。なお、委員会審議を打ち切り、採決を行なった運営には大きな問題があったことを指摘しておきます。

 つぎに、議案第141号についてです。
本議案は、奈良市一般職の職員の給与について、国家公務員の一般職の給与に措置された55歳以上の職員の定期昇給カットに準拠しようとするものですが、国家公務員の給与改定を地方公務員に押し付ける内容であること、定昇カットは月例給与のみならず期末手当、残業手当、退職手当などにも波及し、職員の生活に影響を及ぼすこと、地域経済にも影響を与えることなどから反対です。

 つぎに、議案第144号についてです。
本議案は、奈良市の地域ふれあい会館の利用にかかわる費用負担について、公民館等との均衡を図るため有料化し、利用料金制を導入しようというものです。利用料金の算出根拠は、公民館の有料化をベースにした料金設定で、公民館と地域ふれあい会館では、趣旨や目的が違うにもかかわらず、同列に料金を設定することに矛盾があります。 また、協力金の徴収や、指定管理者が運営困難で持ち出しをしていることが、今回の利用料金制導入の最大の理由になっていますが、指定管理料が全館で不足している事態になっているのであれば、有料化の前に指定管理料の改定を先に検討すべきです。そもそも「すべての市民が地域社会のふれあいの中で日常生活を送ることができるよう、地域の交流活動及び福祉活動の拠点」として、地域ふれあい会館が無料施設として設置された意味をふまえ、有料化がその趣旨や目的に則しているのか、慎重に検討されるべきです。

 つぎに、議案第188号から第192号までの5議案についてです。
 これらは、来年4月からの消費税および地方消費税の税率引き上げに伴って、上下水道料金や市立奈良病院の利用料金等を引き上げようとする、条例の一部改正議案です。  消費税増税は、暮らしや地域経済を直撃し、市民の負担を増やし、社会保障制度の改悪とともに、市民生活に重大な影響を及ぼすことは明らかであり、そのための条例改正には反対です。

さいごに、議案第138号 奈良市行政組織条例の一部改正については、意見を付して賛成します。
とくに、国民健康保険は「市民生活部」、後期高齢者医療保険および介護保険は「保健福祉部」と分かれているのを、「保健福祉部」にまとめて一本化した行政組織にすることについて、意見を述べます。
これまで国民健康保険、いわゆる国保は、国や自治体が責任を持つべき社会保障制度であると国民健康保険法に明記されているにも関わらず、加入者相互の助け合いの制度と位置づけて、保険料値上げの根拠にされたこともありました。「保健福祉部」への移管に伴い、社会保障制度であることを明確にして運営されることを求めます。また県の広域連合で運営されている後期高齢者医療制度に合わせ、国保も「県一つの国保」に広域化することが計画されていますが、保険料値上げや、市民の声や生活実態が届かない運営になることが危惧されます。こうした方向への受け皿にならないこと、また、滞納債権対策も、3つの公的保険制度は、いずれも市民の命と健康に直結している制度であり、市民の暮らしの実態を踏まえたものとなるよう求め、討論といたします。