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政策と提案
2026/4/15 更新
2026年度(令和8年度)本会議 討論原稿

2026年3月26日(木) 本会議 討論原稿
私は日本共産党奈良市会議員団を代表し討論を行います。
議案第16号令和8年度奈良市一般会計予算については、予算決算委員会で修正可決した「修正部分」及び「修正部分を除く原案」については意見を付け賛成します。
また
議案第17号 令和8年度奈良市国民健康保険特別会計予算
議案第19号 令和8年度奈良市介護保険特別会計予算
議案第21号 令和8年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算
議案第28号 奈良市行政手続き条例の一部改正について
議案第31号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について
議案第36号 奈良市立看護専門学校の設置及び管理に関する条例の一部改正について
以上の6議案に反対します。
また、
議案第23号 令和8年度奈良市病院事業会計予算については予算決算委員会で修正可決した「修正部分」に意見を付け賛成し、「修正部分を除く原案」について賛成します。
議案第32号 奈良市介護保険条例の一部改正について
は、意見をつけて賛成します。

はじめに
〇議案第16号令和8年度奈良市一般会計予算です。
 本予算の原案には、生活保護世帯絵のエアコン購入助成や中学校部活動における子どもの活動機会を保障するための関連経費など、我が党が要望してきた市民の切実な願いが反映された内容もある一方で、リニア新駅誘致など不要不急の予算も含まれており予算決算委員会で組み替え動議を提出した次第です。残念ながら否決となりましたが、我が党の令和8年度予算に対する基本的な立場は組み替え動議の提案説明で述べた通りです。
以下、意見をのべます。
●中学校部活動の地域移行に関する予算についてです。
本予算には、12月定例会で予算カットされた、中学校部活動における子どもの活動機会を保証するため、過重となっている教員の負担でない新たな仕組みに移行するための関係費用が、形を変えて予算計上されています。具体的には、この間、令和8年度のスポーツ・文化芸術活動に係わるフルタイムの会計年度任用職員、パートタイムの会計年度任用職員の募集が行われていますが、その人件費が計上されています。
 応募のあった指導者とともに、指導を希望する教員や市職員なども含め、市から派遣する指導者を最低限確保し、4月から活動をスタートさせる移行準備が行われていますが、この課題は、不十分であっても前を向いてやる以外になく、始めるしかありません。そのことに可能な力を集中することが必要です。そのうえで、今後については、主人公である子どもたち、教職員、指導員など関係者の意見をよく聞きながら、地域展開のあり方について、一歩ずつ市民的合意をつくっていくことが必要です。
 4月から新しい局面に入ります。この課題を円滑にすすめるためには、わが党として繰り返し指摘し求めてきた通り、ワンストップで即応できる権限を与えた体制整備、事務局機能の立ち上げが不可欠です。先日公表された令和8年度の組織体制では、教育部・市民部共通の部署として「部活動地域展開推進室」が設置されるとのことですが、一刻も早く新体制の共有を図るとともに、課題を一つずつ解決しながら、粘り強く前進させていくことを改めて求めるものです。
次に
●中学校体育館等への空調整備費についてです。
 本予算には、12月定例会で予算カットされた、中学校体育館等への空調整備費が非常用発電機を追加整備する費用とともに予算措置されています。
 学校体育館に空調設備を導入する目的は、教育現場での児童・生徒の熱中症対策として何より急ぐ必要があるからであり、また災害時の避難所となることからも空調環境の整備は求められています。インフラが断絶するほどの大規模災害時は、どの指定避難所も開設され避難先となり、輸送路も寸断されているなかで「電気式」は復旧が早く、合理性があります。「新年度に入り早期に入札を実施、工事業者の決定等順調に進めば、早いところで秋頃の設置が見込まれる」と答弁がありました。熱中症対策として空調整備を着実に進めるとともに、災害対策の機能拡充について今後の検討を求めます。

次に
●観光客誘致対策経費です。
 本予算には、観光客誘致対策経費が新規予算として計上されています。その内容として、県外学校が1〜2月の時期に実施する修学旅行において、市内で宿泊や体験活動を行う生徒への支援補助金の創設とともに、猿沢池周辺地域で、温泉を生かした観光地づくりや地域経済活性化をめざし、温泉源調査に係る地質調査委託、温泉開発により生じる経済波及効果の分析委託を含む猿沢池周辺にぎわい活性化計画委託などをすすめようとするものです。
 今後、修学旅行支援補助金や温泉源調査等の結果をふまえた展開をしていくにあたり、宿泊関連事業者と情報共有を十分に行い、意見をききながら、丁寧に進めることを要望します。
次に
●幼保再編・保育士の処遇改善についてです。
来年度も幼保再編・民間移管を進める予算が盛り込まれています。奈良市幼保再編計画実施前には56園あった市立園は令和7年4月時点では27園と、半減させられました。現在公表されている計画が全て実施されれば、21園まで減少することとなります。
市立園が減少する一方、待機児童の解消は本市にとって喫緊の課題です。0歳・1歳児はもとより、2歳児にも複数の待機が発生しており、その解消が求められます。児童の受け入れには保育士の増員が不可欠ですが、全国的な保育士不足が叫ばれる中、本市も例外ではありません。保育士会計年度任用職員の3年公募については一刻も早く撤廃することが求められています。同時に給与の平均額も正規職員よりも低く抑えられている現実も直視しなければなりません。
いま奈良市が行うべきは、市立園の民間移管を進めることではなく、今ある市立園のキャパシティーをフルに活用できる体制を整え、待機児童の解消に最大限の努力を尽くすことです。それを実現するためにも、安心して働くことができる正規雇用の職員を思いきって増員することが必要です。奈良市として公的保育実施責任を果たすよう求めるものです。

次に
●保護課ケースワーカーの増員についてです。
本会議の質問を通して現在保護課に配置されているケースワーカーの人数は、社会福祉法で定める標準配置数67名に対して、37名しか配置されていないことが明らかとなりました。そのため、ケースワーカー1人あたりの持ち件数は150件にせまる数となっています。これでは、保護世帯に対して十分な訪問や面談を行うことができず、生活支援や就労支援など必要な支援が十分に届けることができなくなると危惧します。
ケースワーカーの配置数が標準配置数を満たしていないことについて市は「重く受け止めている」とは述べられましたが、いつまでに回復するのかなど具体的な対応策は述べられませんでした。標準とはいえ法基準から大幅に逸脱している現状に対して、具体的な対応策も持たないというのは、法令遵守の意識が欠如しているといわねばなりません。保護課ケースワーカーをいつまでに標準配置数まで増員を行うのか、その計画を早期に示すとともに正規職員による増員が必要です。

次に
●児童相談所における児童福祉司の配置についてです。
 令和7年度の児童虐待相談対応件数は昨年度を上回る見込みとなっており、奈良市も「高い数値で推移している」との認識を示されています。その児童虐待への対応をされている児童福祉司・児童心理司ですが、本市では国による配置基準を上回る配置となっています。
一方で正規職員に限って見れば国の配置基準を満たしていないことが明らかとなりました。とりわけ、相談対応にあたる業務の性質上、経験の蓄積が不可欠であり、その働き方を保障することで本市の相談対応能力の向上を図ることができるものと考えます。今後、児童相談所における児童福祉司・児童心理司について、まずは国基準を正規職員で満たせるよう人員配置の増員を求めます。

次に
●自衛官募集事務経費についてです。
我が党は毎年、指摘していますが、本予算は奈良市が自衛隊員募集に協力しているという既成事実を作るためだけの予算であり、今後予算化は必要ないと意見します。

次に
●循環型社会形成推進事業経費:生ごみ処理機器購入についてです。
本予算は予算決算委員会で修正となり4台分の生ごみ処理機を設置する経費となりました。
生ごみのさらなる減量化は、奈良市の循環型社会形成を目指すことにおいて、重要な課題です。そのようなことから、今回の生ゴミ処理機の購入は、否定するものではありません。
今回、ようやく生ごみ回収のモデル地区として地域の協力を得られることとなりましたが、まだまだ実験段階で課題が出てくることが予想されます。その上で、一度に多大な費用を投資するのではなく、段階的、試験的に実施していくことが、望ましいと考えます。
また一般家庭系生ごみは、実施のモデルケースが見えていますが、事業系生ごみの処理については、不透明な部分が否めません。本事業の実施については、段階的に検証しながら進めていくことが必要です。

次に
〇議案第17号 令和8年度奈良市国民健康保険特別会計予算
〇議案第31号 奈良市国民健康保険条例の一部改正について
です。
 奈良市では、国保県単位化のもと令和6年度の完全統一化に至るまで保険料の値上げが毎年行われてきました。その結果、もともと高額であった保険料はさらに高額となり、とりわけ低所得の方にとっては「払いたくても払えない」金額となっています。その結果、国保加入世帯の内15%で滞納が発生する状況になっています。
同時に、差し押さえの件数も増加していますが、滞納世帯に対して電話や訪問など市からのアプローチはされていません。一方的に督促状を送り機械的に差し押さえを実行するだけでは、市はただの「集金するだけ」と言われても仕方ありません。
滞納に至った背景を把握し、必要であれば公的支援に繋いでいく役割が行政には求められます。滞納は生活上のシグナルと捉え、市民の暮らしに寄り添った行政運営を求めるとともに、昨年から改善が見られないことから予算に反対します。
一方で高額な国保料を抜本的に引き下げるためには、国保の財政に関する制度の改革が必要です。国庫負担割合の増額など、国費の投入が不可欠です。制度の改善を本市としても国に申し入れるなど具体的な対応を求めるものです。
 また、議案第31号の条例改正には、国保料の賦課限度額を引き上げる内容及び、子ども・子育て支援金制度の納付金に関する項目が含まれています。これらの改正は被保険者の市民の負担をさらに増やすことになります。そのことから、議案第31号にも反対します。

次に
〇議案第19号 令和8年度奈良市介護保険特別会計予算です。
来年度は、第10期奈良市介護保険計画を策定する年となります。必要なサービスを安心して利用できる介護制度の確立が求められます。しかし、高齢化の進展もあり保険料は段階的に引き上げられ、第1期と比較し第9期の保険料は倍にまでに至っています。また、サービスの利用にも利用者負担が発生し、保険料と併せて金銭的負担が市民に重くのしかかっています。
第10期計画策定にあたっては、市民負担を最小限に抑える保険料設定が不可欠と考えます。同時に、抜本的に保険料や利用料を引き下げるためには、国による制度改善及び国費の投入が不可欠であり、本市としても国に対して申し入れるなど、具体的な対応を求めます。

次に
〇議案第21号 令和8年度奈良市後期高齢者医療特別会計予算です。
後期高齢者医療については、奈良県後期高齢者医療広域連合での一括運用となっております。高齢化が進む中で、社会保険や国保から後期高齢者医療に移行される方は、今後も増加傾向であると考えられ、比例して給付金額も増加していくものと考えられます。
 高齢化が進む中、現状の制度のまま運用すれば、後期高齢者の保険料は上がり続けることとなり、数年で払えない保険料となると危惧します。それは、物価高騰の中で高齢者をさらに苦しめることにもなり抜本的な制度の改革が求められます。市民の負担軽減を求め、国や県に制度改革を訴えていくべきです。

次に
〇議案第28号奈良市行政手続条例の一部改正についてです。
これは国の行政手続法の改正により、聴聞(ちょうもん)及び弁明の機会の付与の通知の公示送達の方法がデジタル化されたことによる本市条例の改正です。インターネットを通じて広く知らしめることが利便性を高める点もありますが、公示送達を広く公衆一般にインターネットで閲覧を可能にすることは、極めてセンシティブな個人情報の漏えい、プライバシー侵害になることは否定できません。個別に慎重な検討を行うべきであり反対します。

次に
〇議案第36号 奈良市立看護専門学校の設置及び管理に関する条例の一部改正についてです。
本議案は、奈良市看護専門学校において、再試験料及び再実習料を新たに設けようとするものです。再試験や再実習における職員の負担や経費については一定理解をする一方、学生に経済的負担を負わせる点は問題です。
看護専門学校は教育機関であることを考えれば、そもそも再試験や再実習に至らないよう、まず丁寧な指導を尽くさねばなりません。そのことがひいては、より優秀な卒業生を輩出することにつながり、奈良市の医療の質向上にも寄与するものと考えます。
以上の理由に加え、大学等学費の無償化をはじめ学生の負担軽減を求める我が党の基本方針に照らしても、今回の議案は賛成できません。

次に意見をつけ賛成する議案です。
まず
〇議案第23号 令和8年度奈良市病院事業会計予算についてです。
本予算には、市立奈良病院の指定管理者に対して原案では10億円を貸し付ける予算が含まれています。市立病院は、政策医療など民間病院にはない役割を担っており、市民の健康を守るセーフティネットとしての役割が求められます。
今回の貸付金について、電子カルテシステムの更新など、多額の費用を要する設備投資が控えていることなどが理由として説明されました。それらの費用について、必要性は理解するものです。一方で、病院経営に真に不可欠な費用であれば、貸し付けではなく支給という方法も考えられます。
全国で自治体病院の経営が厳しい中、今後の返済が病院経営を圧迫しないのかの危惧もあります。貸し付けにあたっては、返済計画はもとよりそれに伴う病院経営への影響などを十分に調査し計画を立案することが必要だと意見を付け修正案に賛成します。

次に
〇議案第32号 奈良市介護保険条例の一部改正についてです。
本議案は令和7年度の税制改正に伴い給与所得控除額が引き上げられた事に伴い、令和8年度に限り従前の計算方法で保険料を算定するための特例を設けようとするものです。
 介護保険料は3年を一期とした介護保険計画により定められ、来年度は第9期計画の期中であるため保険料の変更ができず、収入不足を防ぐため特例の設定が必要との提案理由は一定理解するものです。
 しかし、給与所得控除が拡大されても保険料が変わらなければ、被保険者にとっては負担をもたらすものとなります。特例措置に反対するものではありませんが、本当に特例がなければ介護保険財政がまわらなくなるのかどうか緻密な検証が必要です。
 また、第10期計画は改正後の税制を元に保険料の算定が行われます。その際、減収を過大に見積もり不要な保険料値上げとならないよう指摘しておきます。

以上で討論を終わります。