2025年3月25日
北村拓哉
予算決算委員会 予算組み替え動議提案 趣旨説明(2025年3月25日)
私より、「議案第12号 令和7年度奈良市一般会計予算」の組み替えを求める動議の提案趣旨につきまして、ご説明させていただきます。
物価高騰が市民生活を直撃しています。日本共産党市会議員団が2025年1月下旬から実施し、市民の皆さんからの声をお聞かせいただいている「市民アンケート2025」で約千通の回答があった時点の中間まとめでも、「物価高の影響はありますか」の問いに対する回答で「ある」が98.5%、「暮らしの実感は」の問いには「苦しい」、「大変苦しい」の回答が合わせて約75%に上るなど、深刻な実態が明らかとなりました。市民の暮らしが疲弊し切っている下で、新年度予算は何よりも、物価高対策、市民生活応援を最優先にするものでなければなりません。
今定例会に提案されている一般会計予算は、対前年度比52億7,789万円増、過去最大規模の1,680億円となり、「未来を創る安心と成長の予算」を掲げ、その中には、防災・減災対策の関連経費、小中学校体育館への空調設置、中学校の給食費無償化、小中学校エレベーター設置、公民館のトイレ洋式化等改修、高齢者補聴器購入助成など、わが党も要望してきた切実な願いが一定反映された内容もある一方、リニア中央新幹線中間駅誘致事業には聖域のように予算計上が続いています。
リニア新駅誘致推進経費は、2012年のリニア推進室設置以降、毎年経費が計上されており、新年度予算も含めた累計予算額は1億円を超え、莫大な費用が投入されています。リニア建設事業は、トンネル労災事故や大深度地下のシールド工法による陥没事故の発生、既存新幹線の4倍もの電力を消費するなどの気候危機打開の取組への逆行、過大な需要見通し、公的資金投入で国民負担が増大するおそれ、水位低下や水枯れなどの環境破壊、残土置き場などの未解決の課題が山積しており、リニア本体の建設工事や事業は大きく行き詰まっています。リニア事業とともに中間駅誘致事業は中止すべきです。
新年度予算には、万博連携事業経費も予算化されています。大阪・関西万博が目前に迫ってきていますが、この間指摘され続けてきた問題点や懸念について十分な対応がされてきたとはいえません。
万博会場の夢洲(ゆめしま)は現役の廃棄物処分場です。昨年3月にガス爆発事故が起こり、今もメタンガスが一日に2トンも発生している大変危険な場所であり、万博開催中もガスの発生を止めることはできません。それに加え、刺されると命の危険にさらされるヒアリの生息が確認されており、また熱中症など子供の安全を優先する観点から、いわゆる万博遠足を取りやめる自治体や学校が相次いでいます。海外パビリオンの建設も遅れ、前売り券も売れず運営費が赤字となれば、負担が国民に転嫁される危険があります。
日本国際博覧会協会が、大屋根リングの水面護岸計1.1キロのうち600メートルで浸食侵害が確認されたと明らかにしました。夢洲(ゆめしま)はもともと風と波が強い上、台風などで激しい風雨に襲われる場所にもかかわらず、カジノ推進のために、万博会場にした問題点が露呈しています。
また会場へのアクセスは、夢咲(ゆめさき)トンネルと夢舞(ゆめまい)大橋の2ルートしかなく、最悪の場合15万人が3日間孤立すると万博協会自身が認めています。大規模災害時の防災対策や避難計画も依然としてみえないままであり、来場者のいのちを守れる保証はありません。次々に出てくる問題は解決せず、事態の深刻さが増すばかりです。今からでも来場者のいのちを危険にさらす万博は中止し、万博連携事業も取りやめるべきです。
少子化対策として出会い・結婚支援事業経費も計上されていますが、低賃金や不安定雇用など、結婚に展望を持てない根本的要因への対策を行政として打ち出すことこそ必要です。
プレミアム付商品券発行事業経費が6億6,500万円計上されています。同事業は本市では2020年度から始まり、23年度を除き毎年度実施しており、これまでの財源は国の臨時交付金でしたが、新年度予算では一般財源である財政調整基金を取り崩して充当しています。
私たち市議団が取り組んでいる「市民アンケート2025」に寄せられた市民の声で、「物価高対策」として望むこととして、中間まとめで最も多かった対策が「消費税の減税」(67.9%)でした。「公共料金の引下げ」も55%と高く、「プレミアム付商品券」は17.6%でした。プレミアム付商品券は、購入できる人にしか恩恵が及ばない制度です。市が行う物価高騰対策として何が効果的か、検討をやり直すことが必要です。
国の重点支援地方交付金の推奨事業メニューには水道料金減免が挙げられ、水道料金のうち住民が支払う基本料金を減免し、その減収分を補助することが説明されています。この施策は、効果が市民全体に及びます。本日の総括質疑でも改めて指摘した通り、一般財源を活用するなら、水道料金減免に充てることが、今、市民の声や願いにかなうのではないでしょうか。
新年度予算には、佐保小学校校舎建設事業2億3,040万円が計上されています。同予算は、債務負担行為の限度額オーバー分の校舎解体費の大部分や外構工事を別年度に回す計画に変更し、工事を分割して進めるやり方を前提に25年度充当分を予算化したものです。
わが党が何度も指摘したとおり、こうしたやり方自体が、債務負担行為の事業限度額設定の予算審議や議決の意味を失わせる前例のない行為であり、明らかな議会軽視です。これを議会が認めれば、債務負担行為の制度自体が形骸化してしまいます。
校舎建設スケジュールは、25年度当初から28年度末ぎりぎりまで、建物の建設や解体の工事の予定がびっしり詰まっており、グラウンド使用は大きく制限されます。これまでの校舎利用の制約に加え、工事工程がきわめてタイトな「居ながら工事」となり、今後の工事の騒音や振動、安全面の懸念、学習環境への影響、校舎解体時のアスベスト対策等の不確定要素もあり、費用や期間がさらに増大することもあり得ます。23年度入学の児童は6年間の小学校生活を工事環境下で過ごすことになり、これが子供の最善の利益を優先、考慮したやり方なのか、厳しく問われます。またこれらの説明が、佐保小児童・保護者、地域住民に対し十分に行われていません。
工事請負契約案件が追加提案されていますが、一方で、鼓阪小学校の児童2人を含む3人から、鼓阪小学校の統廃合計画の見直しを求める新しい請願3件が提出されました。3月11日の請願審査では、これまでの2件に加え新たな3件も含めた5件全ての請願が継続審査と決定されました。中でも鼓阪小学校の児童・保護者からの4件の請願は、付託された委員会で全会派・全委員の賛成により継続審査が決定された事実は、大変重いと言わねばなりません。このことへの市長の受け止め、認識を総括質疑で質す質疑がわが党も含めありましたが、これまでの主張を繰り返すだけで、請願に込められた思いや願いに正面から向き合い、寄り添う姿勢はかんじられませんでした。合意形成が全くない中で、統廃合を現時点で進めるべきでないという議会の判断をふまえ、新年度予算への態度として、鼓阪小学校の統合とは切り離すことが必要です。統廃合のゴリ押しは決して認められません。
その一方で、佐保小学校校舎の建て替えや改修等の早期更新も必要であり、これは今後の方針を再検討した上で進めなければなりません。方針の再検討には、関係者での協議や合意形成など一定期間を要することは明らかです。その間も佐保小学校の児童の活動を制約している状況が続きます。その状況は直ちに解消しなければなりません。本会議でのわが党質問への建設部長の答弁を通じて、原状復帰整備に要する費用は約1億4,000万円、期間は13か月間と判明しており、同整備を直ちに行うべきです。そして、それと並行して今後の方針の再検討にすみやかに着手すべきです。
以上のことから、以下のとおり一部事業に係る歳出予算を減額し、水道料金の減免及び佐保小学校校舎の原状復帰整備の財源に充てるよう組み替えるべきと考えます。
その内容としまして、組み替え動議提案文書(別紙)にありますとおり、総務費のうち5,310万8千円を減額、民生費のうち126万円を減額、商工費のうち6億6,500万円を減額、観光費のうち220万円を減額、教育費のうち2億3,032万4千円を減額し、これに伴い、総務費のうち寄附金3,000万円を、民生費のうち国庫支出金94万5千円を、観光費のうち寄附金220万円を、また教育費のうち国庫支出金7,242万4千円および市債1億5,790万円を歳入から減額し、残余の一般財源は、水道料金の減免及び佐保小学校校舎の原状復帰整備の財源に充てる組み替え動議を提出するものです。
議員各位のご賛同を賜りますよう、よろしくお願い致します。
|