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政策と提案
2021/3/23 更新
予算組み替え動議提案 趣旨説明
2021年3月23日
 
日本共産党奈良市会議員団


予算組み替え動議提案 趣旨説明
 

 私より「議案第17号 令和3年度奈良市一般会計予算」の組み替えを求める動議の提案趣旨について、説明をさせていただきます。

 コロナ危機は、市民生活に深刻な影響を及ぼしています。感染が収束しない中、新年度予算は何よりも、最大の緊急課題であるコロナ対策に万全を尽くし、コロナ禍で市民が受けた苦難の救済を最優先にするものでなければなりません。
 今定例会で提案されている予算には、補正予算も含めると、市民や関係者の声や取組が反映され、休日夜間応急診療所への発熱外来設置やドライブスルー検査実施等を継続するための経費、飲食店の事業継続支援経費、視覚障害者への緊急告知ラジオ配付や聴覚障害者の意思疎通支援体制強化など、わが党も要望してきた切実な願いが一定反映された内容もある一方、リニア中央新幹線中間駅誘致経費は聖域のように予算計上が続いています。
 中間駅誘致事業には、2012年のリニア推進室設置以降毎年経費が計上され、新年度予算も含めれば9千万円を超える莫大な費用が予算化されています。昨年10月、リニア建設工事と同じ工法である大深度工法による東京外かく環状道路工事で陥没事故が発生し、その後付近で地下空洞が相次ぎ発見されましたが、陥没・空洞の原因が同工事の影響であったことが明らかになり、陥没・空洞の原因究明がなされるまで工事は停止しています。今回の陥没事故によって、大深度工法の「地上に影響が及ばない」という前提は大きく崩れ、リニア本体工事そのものが行き詰まっています。駅誘致事業は抜本的に見直すべきです。
 新年度予算には、前年度よりも減ったとはいえ、新規事業が盛り込まれています。
その一つに、ワーケーション等支援事業経費がありますが、制度設計が曖昧で事業見通しの不透明さは否めず、再検討が必要です。
新規事業として、一条高等学校に併設する附属中学校を2022年4月に開校するための関連諸経費も盛り込まれています。債務負担行為を含む予算総額が34億7500万円を超える一大事業で、国費も一部あるものの大半は起債充当を見込み、今後その償還がのしかかることになります。
2022年4月には中学1年生80名が入学予定ですが、2022年度から2024年度の中学3年間の在学中は校舎建設の工事が続きます。また、奈良市立中学校でありながら、中学校給食のない学校になります。奈良県下で、高校の敷地内に附属中学校を併設し、中学生・高校生が混在する公立学校はほかに例がなく未検証で、カリキュラムの詳細も不明です。
 とりわけ市内の近隣に位置する中学校では、奈良市の施策として進められる附属中学校開校で、生徒減少が一層進むのではないかと危惧する声も出されています。
 教育ニーズの多様化に対応するためと言いますが、中高一貫校で何を目指すのかがはっきりせず、市内の小・中学校の現場教職員との認識の乖離、意思疎通の欠如は明らかです。今莫大な公費を優先して投入し、公立学校で全国に先駆けて開校することを疑問視する意見もある中、前のめりに進めるのではなく、小中一貫教育をはじめ、これまでの市の教育改革、教育施策の検証・総括が必要です。

 教育分野では、小学校4年生から6年生の児童を対象に、小学校算数科「学びなら」事業が予算化されていますが、算数嫌いの子どもを生んでおり、抜本的見直しが求められます。
 コロナ禍の状況が新年度も続くことは間違いない中、学校関係者からは、感染予防対策を講じて2021年度の修学旅行等を計画するのに、2020年度同様の市の財政補助を求める声が上がっています。対策を取り、費用がかかると、保護者負担にはね返ってしまうからです。
 新年度予算には、2020年度から継続して、奈良市に来訪する修学旅行生の感染予防対策費等を補助する、地方創生臨時交付金を利用した施策があるのに、奈良市の児童・生徒が修学旅行等に出かける際の財政支援の施策はありません。
 コロナ禍の下、学校生活から行事がなくなり味気ないものとなり、子どもたちにストレスを与えている中、保護者負担を増やさず、いかに感染予防対策を講じて安全に進めていくか、その兼ね合いで現場は大変悩んでおられます。2020年度は、奈良市に来訪する修学旅行生への事業予算を活用し感染予防対策を行う補助がされましたが、新年度は同事業の予算額が減り、奈良市の児童・生徒に活用可能なのかも定かではありません。
 新年度のコロナ対策は、世代を問わず生活に困窮する方の手元に直接届く支援策が全体として決定的に不足していますが、せめて市内の児童・生徒の不安を少しでも取り除き、修学旅行等が実施できるよう、新年度予算を不要不急の視点から思い切って見直し、2020年度執行額と同等規模、約2千万円の費用確保が最低限必要です。
 以上のことから、一部事業に係る歳出予算を減額し、そのうち一般財源に当たる部分を奈良市の児童・生徒の修学旅行等の財政支援を行う財源に充てるため、以下のとおり9422万8千円を組み替えるべきと考えます。

その内容としまして、組み替え動議提案文書(別紙)にあります通り、総務費のうち604万円を減額、教育費のうち8818万8千円を減額し、観光費を1907万1千円増額する組み替え動議を提出するものです。

 なお、企画費のうち、東部地域振興経費(ワーケーション等支援事業)の建物貸付収入15万円は歳入から減額する、教育総務費のうち、教育企画事務経費((仮称)一条高等学校附属中学校開校準備経費)の諸収入7千円は歳入から減額する、高等学校費のうち、一条高等学校・中学校校舎建設事業の市債7500万円は歳入から減額することとして提案するものです。

 議員各位のご賛同を賜りますよう、よろしくお願い致します。