2011年度(平成23年度)奈良市予算編成にあたっての申し入れ
2010年12月13日
奈良市長 仲川げん 様
日本共産党奈良市会議員団
日本共産党が今秋実施した、市民アンケートには国保料の引き下げ、介護保険の年金改善、医療費自己負担の引下げなど切実な要求がいっぱい書き込まれています。
また市内各地の道路や河川の改修なども切実です。こうした暮らしや地域の要望にこたえていくことは市役所本来の仕事です。先の第1次要望(重点項目)につづき第2次要望を提出します。尚、回答は文書にてお願いします。
記
(事業仕分けと予算編成)
1.事業仕分けはやめること。
第1長引く不況のもと、いのちと暮らしをまもり、市民生活の安定をはかることを求めます。
(中小企業・商工業・労働対策)
2.奈良市の商工・観光業者の全事業所を対象にした実態調査をおこない、市内経済を活性化するために、中小企業地域経済振興条例をつくり、総合的な産業政策を実施すること。また、商店街振興のため、駐車場対策をはじめとする市独自の施策を積極的に行うこと。
3.大型店の無秩序な出退店から地元業者やテナントの営業、住環境をまもるため、市独自の規制措置を行うこと。
4.経済危機から中小企業を守るため「固定費補助」「休業補償」を行なうこと。
5.中小企業への100万円までの緊急融資制度など市の融資制度を拡充し、返済期間の延長や借り換えなど融資条件を緩和すること。また、公的金融機関の貸し出し額が限度になっている小・零細業者への緊急融資制度を創設すること。
6.入札の参加資格のない中小業者を対象に、一定額以下の随意契約にかかる工事や物品購入の受注希望者登録制度をつくり、登録された業者に仕事を発注すること。
7.市民が市内の業者に住宅の修繕・補修を発注して行なう工事の一部を助成する、住宅リフォーム助成制度を創設すること。
8.市独自の労働者雇用対策をとること。また、リストラもしくは倒産による失業者などの生活困窮者に対し、奈良市としても、独自の緊急融資制度を設けるなど生活保障をはかること。とりわけ深刻になっている青年の雇用創出に市独自に積極的にとりくむこと。
(青少年対策)
9.青年の家交楽館は存続し、従来どおり活動を行なうこと。若者のニーズにあった安く利用できるスポーツ文化施設の地域への配置計画をさらに促進すること
(保育・学童保育)
10.保育料を引き下げること。また、保育料減免制度について広く知らせること。
11.認定こども園制度は、現行の認可保育所・幼稚園の基準を下回らないものとし、認可保育所の新設により待機児童を解消すること。
12.国と自治体の責任による現行の保育制度を根底から崩す「子ども・子育て新システム」に反対し、児童福祉法に基づく公的保育制度を守るよう取り組むこと。
13.公立および市の認可保育所については、少なくとも現行の児童福祉法の最低基準を守ること。
14.老朽化した保育所の施設・設備の更新をおこない、早期の耐震化や大規模改修の対象となっている園の具体化、実施をおこなうこと。
15.正規保育士の採用を増やすとともに臨時保育士の給与など労働条件を抜本的に改善すること。
16.全園に栄養士、保健士(又は看護士)、事務職員を配置すること。
17.民間保育所の運営実態をよく調査し、公私の格差を解消するため、運営費補助、人件費への助成を大幅に増額すること。また、認可外保育所について助成を行うこと。
18.保育所給食は今後も民間委託をおこなわないこと。また、給食の内容を安全なものにし、地産地消に努めること。
19.公立保育所の民営化・指定管理はおこなわないこと。
20.保育所に対する初年度調度費補助金を削減しないよう国に要望するとともに、市の補助金を元に戻すこと。
21.学童保育におけるゆきとどいた保育内容を保障するため過密を解消し、運営基準を条例化すること。また指導員の研修を充実させるとともに、賃金アップ、退職金制度など、待遇の改善をおこなうこと。
22.学童保育の閉所時間を延長し、児童の安全対策を講じること。
23.警報時・緊急時に、保護者、保育課、市教委が連携して緊急の対応がはかれるよう体制の整備をすすめること。
24.子どもの貧困実態調査を行い、子育て支援策を講じること。
25.病後児保育の拡充と、病児保育の早期実施を行なうこと。
(障害児・者対策)
26.市独自に障害者自立支援制度の自己負担軽減策を図ること。また、施設への支援も行うこと。
27.リフト付きタクシーを市の施策としてふやすとともに、バスについては道路の整備をおこない路線を増やすこと。また、福祉タクシーの対象者を3級療養手帳Bまで広げ精神障害者も対象とすること。
28.障害者用の市営住宅を増やすこと。現在の市営住宅の中にも障害者用の特定目的住宅をふやし、障害にあわせ改造すること。又、重度障害者用のケア付住宅をつくること。
29.養護学校における「中等部以上の放課後、長期休業」時の子どもの居場所を確保すること。
30.地域活動支援センターの委託費は削減せずに増額すること。
(高齢者対策)
31.待機者が増えている特別養護老人ホーム等、入所施設の基盤整備を早急にはかること。また、待機者解消計画を作成し、公表して早急な改善をすすめること。
32.高齢者の住宅確保のため、単身入居ができる市営住宅を増やすと共に民間住宅の借り上げなど、市が積極的な施策を講じること。
33.在宅老人緊急通報システムの負担はすべて無料にすること。
34.老春手帳優遇措置事業は元に戻すこと。
35.介護保険非該当者への家事援助サービスは通院の付添い(待ち時間も含め)なども含め、実態に即して運用させること。
36.後期高齢者医療制度の廃止を国に働きかけるとともに、保険料を引き上げないよう広域連合に申し入れるなどの対応をすること。また、資格証明書を発行しないよう求めること。
(介護保険制度)
37.介護保険料を引き下げること。また低所得者への減免制度を拡充すること。
38.低所得者が特別養護老人ホームに入所できるよう、ホテルコストなどの利用料の軽減制度を拡充すること。
(低所得者の入所できる施設を増やすこと。)
(低所得者対策)
39.生活保護の老齢加算を復活させるよう国に働きかけること。また当面、市独自で夏季加算を復活し、金額も引き上げること。
40.夏期見舞金・冬期見舞金を元に戻すこと。
41.生活保護基準の改善を国に求めるとともに、葬儀費用等については、実情にみあった市独自の助成をおこなうこと。
42.生活保護法にもとづき、申請は無条件に受け付け、法に従い、14日以内に決定すること。
43.医療券方式をあらため、医療証の発行ができるよう国に求めること。
44.福祉奨学金制度を元に戻すこと。
45.保護開始までの生活つなぎ資金については、必要に応じて利用しやすいものにすること。
46.ホームレスに対して公営・民間賃貸住宅の空き部屋の活用、シェルター(一時宿泊施設)をつくるなど居宅の確保をすること。
(保健・医療対策)
47.奈良市で24時間小児救急を実施すること。
48.特定健康診査の自己負担を無料にすること。また、基本検診と同様の検査項目も市独自で実施すること。
49.ヒブワクチンの公費助成を継続し、拡充すること。肺炎球菌ワクチン、新型インフルエンザの予防接種の公費助成を行なうこと。
50.子宮頸がんワクチンの公費助成を行い、接種は集団接種とすること。
51.子どもの医療費助成やひとり親家庭・障がい者の医療費助成を償還払いではなく、現物支給で行なうこと。
(国民健康保険制度)
52.保険証は、加入者全世帯に無条件で交付すること。
53.国民健康保険会計に、一般会計からの繰り入れをせめて中核市平均に引き上げ、国保料を引き下げること。
54.保険料について減免制度を充実させること。
55.特定健康診査の自己負担の引き下げや、検査項目の拡充など制度改善を行なうこと。
56.国保法44条に基づく窓口一部負担金免除の制度の要綱については、内容を拡充し、少なくとも生活保護基準の 1.5倍程度の収入の世帯に摘用すること。
(ひとり親家庭対策)
57.ひとり親家庭の実態調査をつかみ福祉対策を拡充すること。
58.児童扶養手当を改悪前にもどすよう国に働きかけること
(平和行政)
59.自衛隊奈良基地祭の展示飛行および訓練の中止を申し入れること。
60.原水爆禁止奈良市協議会への補助金を復活すること。
第2 市の街づくり計画を全面的に見直し、住民主体の街づくり計画で自然と歴史的景観を守り、世界遺産都市にふさわしく、環境と人にやさしい文化の香り高い奈良市を築くことを求めます。
(都市計画・景観・街づくり)
61.世界遺産の平城宮(京)跡を通過する京奈和自動車道大和北道路計画の中止を求めること。
62.西大寺駅北側の整備については、「南北の踏切り問題」の解決、自由通路の早期完成、南北地下道のバリアフリー化をすすめること。
63.あやめ池駅南側の整備計画を地元合意をすすめ作成すること。
64.近鉄尼ヶ辻駅、JR平城山駅へのエレベーターの設置などバリアフリー化を関係者とも協議してすすめること。
65.電磁波の人体や環境への影響について調査するとともに「携帯電話の基地局設置に関する条例」をつくること。
66.元奈良工業高校跡地利用について、「公園として活用してほしい」など地元の要望に耳を傾け、県に働きかけること。
(自然環境・農業問題)
67.奈良市の水源保護要綱を条例化すること。
68.直売所の設置や農産物価格保障制度創設をはじめ、市独自の農業振興を抜本的に強化すること。また耕作放棄地の活用をすすめること。
69.「地産地消推進計画」を策定し地場産の安全な生産物を、学校給食の食材として使用するなど「地産地消」の推進・具体化に積極的にとりくむこと。
70.鳥獣被害対策を抜本的に強化すること。特に急増しているアライグマ被害について、市が策定した防除計画に基づき、計画的な捕獲、被害予防など組織的に対策をすすめること。そのためにも、農林課など関係職員を増員すること。
(交通政策)
71.コミュニティバスの導入をすすめること。
72.都祁地区、月ヶ瀬地区からのバス路線の増便について民間事業者に要請すること。
(道 路)
73.生活道路を全面的に点検し、歩行者、車イスの通行困難場所の具体的整備を急ぐこと。また、県道についても、県への申し入れや協議を積極的におこない横断歩道部分の歩道と車道のフラット化と歩道整備をすすめること。
74.六条3丁目、西ノ京交番から六条西1丁目五条山団地付近の道路、西ノ京交番から東側西ノ京駅にかけての道路の安全対策を急ぐこと。
75.近鉄奈良線あやめ池1号および2号踏切を拡幅し歩道を設置すること。
76.道路の維持補修費を増額するとともに、担当職員も増やして改修要望にすべて対応できるようにすること。
77.近鉄平城駅付近の踏み切り、道路が狭く危険なため対策を講ずること。
78.点字ブロックの点検と補修整備を推進すること。
79.近鉄あやめ池駅と関連通路のバリアフリー(エレベーター設置)を、近鉄に働きかけながら実施させること。また南側階段の安全対策を講じること。
80.蛙股池にかかる「あやめ新橋」の耐震化工事を急ぐこと。
81.蛙股池東側の交差点の安全対策を講じること。
(河川・公園)
82.公園の新設および既設公園の草刈や遊具の安全点検・整備をすすめること。
83.蛙股池の周辺整備を行うとともに、ポケット公園的な施設をつくること。
84.あやめ池、学園南地域に「近隣公園」を確保すること。
85.六条地域に子どもの遊べる公園がありません。児童公園をつくること。当面、六条幼稚園予定地を子どもの遊び場として使わせて。
86.河川の維持補修費を増額するとともに担当者も増やして改修要望にすべて対応できるようにすること。
(公共施設)
87.競輪場をなくし、健全な跡地利用を含む西大寺周辺の総合的な整備計画を具体化し、関係機関に働きかけること。
88.グランドゴルフやゲートボールに、市民が身近に使える場所を、市民の声をよく聞いて整備すること。
89.東大寺転害門に隣接する町屋の整備活用・奈良女子大前の旧交番の活用(市民参画事業)を地元住民の声を聞いてすすめること。
90.旧最勝院跡(市指定文化財)の保存、活用を地域住民や市民の声をよく聞いてすすめること。
91.市営屋外プールを存続させること。
92.来年度、人権文化センターが統廃合される予定だが、あすか人権文化センターについては、現在、利用している「自主グループ」が引き続き無料で継続使用できるようにすること。
93.連絡所の統廃合計画を中止し、地域コミュニティの核として位置付け、職員等充実をはかること。
(住 宅)
94.母子や障害者・高齢者、また災害などで緊急に一時避難を要する場合など、特定目的の市営住宅を計画的に建設すること。
95.市営住宅の建てかえ計画を策定すること。
(消防・防災問題)
96.消防広域化協議会から離脱し、県の広域化には参加しないこと。また消防関係予算を増額し、消防力整備指針にもとづき人と整備の両面で消防力を強化すること。耐震力のある地下貯水槽の設置、飲料水の確保、水道管の耐震化、防災無線の強化など即応対策を一層促進させること。
97.大雨による旧市街地の水害の大きな要因のひとつとなった吉城川の川久保町周辺の抜本的な改修計画をたてること。
98.市民の協力をえて、井戸水の活用をはかること。
(ごみ問題)
99.市民負担増となる家庭ごみの有料化は行わないこと。
100.ごみ減量の促進をはかること。
101.クリーンセンターの移転計画については、候補地住民の意見は特によく聞き推進すること。
102.現清掃工場の安全操業につとめること。また、オーバーホールの契約方法は一般競争入札によりおこない経費削減に努めること。
103.大型ごみの電話申込みについて、電話がつながりにくいため改善すること。
104.高齢者世帯、障害者世帯などごみ出しが困難な世帯への「燃えるごみ」「その他プラスチック」の個別収集を行なうこと。
第3 教育予算を増やし、豊かな個性、確かな学力、健康な体を作る教育の実現を求めます。
105.「小中一貫教育」について、導入を急ぐのでなく、充分な検証を行なうこと。
106.憲法改悪に反対するとともに、憲法で保障された「内心の自由」を保障し、日の丸、君が代の押し付けをやめること。
107.「学校園規模適正化計画」について、あらたな計画は凍結すること。「計画」を実施予定・協議中の地区においては、「住民合意の尊重」を徹底すること。
108.「認定こども園」については、現行の児童福祉法の最低基準を満たす認可保育所および認可幼稚園の保育・教育水準を下回らないものとすること。
109.全国一斉学力テストは、今後実施しないこと。
110.教職員の人事評価システムは中止すること。
111.学校長と幼稚園長の兼務をやめ、専任の幼稚園長を配置すること。やむえず、兼務になる園には少なくとも主任を配置すること。
112.子どもたちに行きとどいた教育を保障するため、正規教員による30人以下学級の実現を国・県に働きかけること。当面市単で全学年での30人以下学級実現のための財政措置をおこなうこと。その際、正規職員を増やすように努めること。
113.特別支援教育は、奈良市のこれまでの障害児教育の水準を低下させないこと。教員の拡充を県に求めると同時に、支援員を増員すること。「通級指導教室」をせめて中学校区ごとに設置し、送迎の保護者負担を軽減するよう取り組むこと。
114.学校給食調理員の民間委託はやめること。中学校で、現在小学校でおこなっているような完全給食をすみやかに実施すること。学校給食で地場産の安全な食材を使った「地産地消」をいっそう推進すること。
115.IS値0.3未満の施設はすみやかに耐震化工事を行なうこと。それ以外の施設の耐震化を急ぐこと。また、学校・幼稚園の施設整備について危険箇所を早急に改善し、小学校トイレに「洋式トイレ」を設けること。
116.就学援助金の認定基準を大幅に引き上げること。
117.公民館を無料にもどし、社会教育施設として充実させること。少なくとも減免の対象を拡充すること。
118.スクールサポート事業は引き続き行い、スクールカウンセラーはすべての小中高校に配置すること。
119.小学校体育大会を復活させること。
120.学校園の教室にクーラーを設置すること。また暑さ対策としてグリーンカーテン、ミストシャワーなどすすめること。
第4 不正・腐敗・暴力を一掃し、市民が真に主人公となる清潔・公正で、無駄のない市政、市民参加の市政を求めます。
121.公務員の成績主義評価導入をやめ、職員のやる気をひき出し、住民に役に立つ市役所とするために一層努力すること。
122.奈良市として同和事業の終結宣言を出すこと。
123.公契約条例の制定を急ぐこと。
124.「人権」に名をかえた職員の同和研修についてはやめること。
125.右翼・暴力団などによる行政への介入に対しては、毅然と対処すること。
126.北部出張所で期日前投票ができるようにすること。
127.市民参加の手続きを明確にした条例をつくり、制度的に保障すること。
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