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政策と提案
2010/10/30 更新
国民健康保険を県単位へ「広域化」に反対と申し入れ
10月25日、仲川市長に申入れ
市長は国保広域化 反対表明を

日本共産党奈良市会議員団は10月25日、市町村で運営してきた国民健康保険を県単位へ「広域化」することに反対の立場を表明するよう仲川げん市長に申し入れました。
 申し入れ書では、知事が「全国と比較して小規模保険者が多く、保険財政が不安定」なことなどを広域化の根拠にあげているが、大規模な自治体こそ国保財政が困難な状態にあり、事態は逆だと指摘しています。
 また、国保料滞納者が多い原因は、「異常ともいえる高い保険料」にあり、広域化はさらなる保険料引き上げと自治体財政に負担を強いることになるとしています。
 申し入れに対し仲川市長は「広域化にもろ手をあげて賛成というわけではない。よく考える」と答えました。
  (しんぶん赤旗2010/10/27)

2010年10月25日

奈良市長 仲川げん 様 
日本共産党奈良市会議員団

申し入れ書

 現在、後期高齢者医療制度の見直しが議論されていますが、議論の中で「国保の広域化」が急浮上しています。さる7月16日、静岡県で全国の国保担当者を前に、厚労省の伊藤善典国保課長は後期高齢者医療制度の廃止の議論は年内に終わる。この機会を逃すと、国保の広域化を議論する場がなくなる。」と述べ、広域化を強引に迫っています。 また、奈良県も、収納率の悪い県内市町村に行なっている交付金の減額というペナルティーをやめることを「飴玉」として広域化を進めようとしています。
 広域化の根拠について、奈良県の荒井知事は「全国と比較して小規模保険者が多く、保険財政が不安定。運営が非効率。保険料や収納率に格差がある」ことをあげています。
 しかし事態はまったく逆で、2008年度、大阪市(363億円の赤字)・横浜市(142億円の赤字)・京都市(91億円の赤字)と政令市が上位を占めています。つまり、大規模国保こそ困難な状態に追い込まれているのです。
 一方、奈良市に目を向けてみると、08年度、一人当たり保険料は平均10万円/年を超える中核市でも最も高い保険料となりました。
 国保料滞納世帯が29lという数字は、住民税滞納(8l)・固定資産税滞納(4l)と比較しても異常な高さです。若い世帯の4割は払いたくても払えない状態に置かれています。
 この、異常ともいえる高い保険料は、国の国庫負担率が20年の間で50lから25lに減らされたことによるもので、保険料アップ、滞納世帯増による収納の低下、赤字会計、そして保険料の引き上げという最悪のサイクルに陥っているのです。
 さて、広域化がなされると、各自治体の国保赤字を「広域国保」に持ち込むことができないため、赤字分を保険料に転嫁しなければならなくなり、奈良市では、一人1万円以上の保険料引き上げが想定されますし、「広域国保」への一般会計からの繰り入れもできなくなります。
 保険料を賦課する方式についても、直接賦課方式から「分賦金方式」=奈良市が一括して「広域国保」に保険料を支払う方式=が言われており、保険加入者への保険料の更なる引き上げとともに、自治体財政にも大きな負担を強いる内容となっています。
 奈良県は、本年11月中には県内の市町村長から意見聴取をし、12月には広域化の方針を決めようとしています。
 そこで、以下について申し入れるものです。

1、国保の広域化について、奈良市として反対の立場を明確にし、県に「広域化しないよう」求めること。
2、国・県に対して国保会計への繰入金を増やすよう求めること。
3、奈良市は、現在、一般財源から2億円の繰り入れを行い、保険料の引き上げ幅を抑えていますが、来年度以降さらなる繰り入れを行い、保険料を引き下げること。



以上