「議案第28号 平成26年度奈良市一般会計予算」の組み替えを求める動議 提案説明
2014年3月20日
北村
私より、議案第28号 平成26年度奈良市一般会計予算の組み替えを求める動議の提案説明を行ないます。
昨年の国会で強行採決され成立した「社会保障プログラム法」による社会保障の大改悪が、消費税の大増税と一体に次々と実施されようとしており、これは市民生活や家計を直撃し、商店や中小零細企業の営業にも深刻な影響を及ぼします。とりわけ低所得者ほど負担増となり、命を脅かし、暮らしの悪化が避けられないだけに、「住民福祉の増進」を使命とする自治体の役割がするどく問われています。
新年度予算は、市民の暮らしの応援を最優先に、市民の負担軽減を図り、安心して過ごせるようにすることこそ求められています。
ところが新年度予算案には市独自の福祉施策はほとんどなく、逆に高齢者福祉の予算を削り入浴補助制度を大きく後退させています。予算決算委員会の市長答弁でも制度を維持させる言明はなく、突然言及された激変緩和策も、その中身も財源もあいまいで、提案手法も含め、あまりに無責任といわねばなりません。
予算編成のなかで32億円の収支不足がでたといいますが、内容は市長の「NARA NEXT4」関連予算が目立ち、観光などに特化した事業が多く盛り込まれ、新たな予算付けがされた結果生じたものです。そのなかには、市民や利用者に大変喜ばれ活用されている「ならまちセンター」展示ホールを突然廃止し、観光仕様に改修するために、市民や利用者を、その声も聞かずに無理矢理締め出そうとするものまであります。展示ホールを廃止し、民間委託しようとする市の計画は、ほとんどの市民に知らされていません。その動きを知った市民や利用団体の皆さんには、まさに寝耳に水の話です。衝撃が走り、使用継続を求める声がただちにあがり、いま広がっています。このように、予算案は、市長が自らやりたいことをあからさまに押し付けるものになっています。
また、子どもに関わる教育分野にも手をつけ、市長自ら実績にあげていた「小学校全学年で少人数学級」を実施する予算を、収支不足の財源をつくるために削り、学校現場に不安を広げ、教育条件を自ら後退させようとしています。中学校給食を拡大する一方で、中学校の夜間学級の補食費のわずかな経費を全廃するなど、矛盾した姿も露呈しました。
暮らしの悪化が拡大するなか、福祉や教育条件をまもるために、新年度予算を「NARA NEXT 4」関連も含めて、不要不急の視点から思い切って見直すことが必要です。せめて、市立小学校全学年で今年度実施した少人数学級は継続し、中学校夜間学級の補食費も今年度の補助をつづけるべきです。また、「ポイントカード制度」という福祉の改悪をすすめるのではなく、老春手帳・入浴補助制度は継続すべきです。
以上のことから、市立小学校全学年での少人数学級の実施経費6,600万円、中学校夜間学級生徒健康管理補食経費77万5千円、老春手帳優遇措置事業経費9,208万8千円、合計1億5,886万3千円の増額をするべく予算を組み替えるべきと考えます。
その財源としまして、組み替え動議提案文書(別紙)にあります通り、総務費のうち3,398万6千円の減額、観光費のうち3,638万7千円の減額、商工費のうち180万円の減額、教育費のうち2,898万円の減額、民生費のうち5,771万円の減額、以上の合計1億5,886万3千円の減額分を増額分へと組み替える動議を提出するものです。
なお、観光費のうち、「大仏鉄道を巡る」観光資源開発事業は行わないこととし、その他経費32万4千円は歳入から減額する。教育費のうち、フューチャースクール事業は行わないこととし、その特定財源23万3千円は歳入から減額する。総務費のうち、ならまちセンター改修事業は行わず、その特定財源6,860万円は歳入から減額し、排水面などの修繕費は別途検討することとする。民生費のうち、帯解こども園関連経費は、こども園建設にあたって地元から計画の見直しを求める意見が出されており、予算化は地元との協議がまとまったのちに補正予算等で検討がなささればよいと考えます。従って、今回の福祉資金1,250万円は歳入の基金から減額することもあわせて提案するものです。
以上、提案説明とさせていただきます。各位の御賛同を賜りますよう、よろしくお願い致します。
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